【ゴールデンハムスター】「アニメのハム太◯」と「現実」はここまで違う!?可愛いだけでは飼えないを常識にッ!

「とっ◯こハム◯郎」という、昔に放送された某アニメ番組を皆さんはご存知であろうか?

 

筆者と同世代の方々には思い出深いという人も多いであろう。

 

2000年に放送が始まり、子ども達からかなりの人気を集めたこのアニメーションは、とある小学生の女の子が飼っている「主人公のハムスター」「ヘルメットを被ったハムスター」「リボンを付けたハムスター」等の可愛らしい&愉快な仲間達ドタバタを繰り広げるという魅力的なストーリーである。

 

このアニメに影響されてか、当時、親の反対を押し切り、家で『ハムスター』を飼育し始めた子ども達も多かったはず。

 

日本で一般的に飼える『ハムスター』は数種類いるのだが、中でも“定番”で人気だったのが『ゴールデンハムスター』だ。

 

しかしながら同時に、“アニメの世界”“現実の動物の生態”との違い「絶望」した子ども達もいただろう。

 

まず、言うまでもないが『ハムスター』は頭に“ヘルメット”“リボン”なんぞは被らないし、付けない。

 

無理矢理アニメキャラに似せるため、“リボン”とかを付けようとしようものならば、人差し指あたりが“必殺前歯”の餌食となるだろう。

 

それにこれも当たり前ではあるが、『ハムスター』も1匹の生命であるので、「糞・尿」を排泄するし、管理を少しでも怠ると非常に獣くさい。

 

飼育当事者の子ども達の多くが、「外から見る」のは「可愛くて大好き」であるが、「糞・尿の処理 や くさい」のは当然「嫌とか無理」となるので、結局ケージの掃除などは渋々、親がやることになる。

 

掃除が終わり「綺麗になった」と聞いた途端、子どもらはケージのところへ飛んできて、エサやりやハンドリング(触れ合い)に興じるのである。

 

また、『ハムスター』がするこの「糞」であるが、彼らは自分の排泄した”これ”を時折、なんと!口に入れ、食す。

 

この「自身の糞を食べる行為(食糞という)」は彼らの自然の習慣であり、消化しきれていないエサが含まれる時に食べることでそれらをもう一度吸収しようとしている正常なものだ。

 

この習性を知らない子ども達は、初めてそのシーンを見た時に、

 

『え!?こんなに可愛いハムちゃんが、、、。自分の、、、。お母さぁーんッ!』

 

とかなんとか叫びながら、“イメージとかけ離れている”その光景に強い衝撃を受けてしまうのだ。

 

上に記した某アニメの主題歌(こちらも非常にキャッチーで人気の歌)の中に“ヒマワリのタネが大好物である”という意味の詩があるのだが、これは事実であり、目の前にあるだけ“得意の頬袋(ほおぶくろ)”に詰め込み、巣穴に帰り、器用に両手と前歯を使いタネを覆う殻を割り、中身をムシャムシャ食べる。

 

それで、子どもらは「ヒマワリのタネが主食」として考えるのだが、これは間違い。

 

実は、ヒマワリのタネは脂肪分が多く、与え過ぎは肥満の原因となってしまうのだ。

 

また、

 

『1匹では可哀想だから。』

 

複数匹を同一のケージで飼育し出す者が現れる。

 

しかしこれも大きな間違いで、『ハムスター』縄張り意識が強く、単独飼育が望ましい。

 

大部分は成長するにつれ、他個体と“ケンカ”になり、最悪の場合、どちらかが死ぬまで止めないのだ。

 

しかも、つがい(オス・メス)で飼うと、望まない「繁殖」があれよあれよと起こり、飼いきれなくなってしまう。

 

その他にも、飼育上での注意点(短命であること、夏・冬の温度管理が必要なこと、人体へのアレルギー反応が出る場合があること 等)は多い。

 

とまぁ、このように“アニメの世界”“生身の動物飼育”というのは、かなりかけ離れていることが解るだろう。

 

さて、長々と『ハムスター』について語ってきたが、読む人からしたら全体として否定的なお話が多かったように感じたかもしれない。

 

しかし、筆者は何も「某ハムスターアニメ」や「現実のハムスター飼育」を批判しているわけでは決してない。

 

アニメーションとは、現実離れした想像力のあるストーリーであるべきだと元来、筆者は思っているし、『ハムスター』が主人公というこれまでにない発想は素晴らしく、可愛げのあるキャラクターデザインも相まって、大人気作品となったのも頷ける。

 

そして無論、筆者は『ハムスター』ひょうきんな姿・行動も含め、動物飼育にこの上無い愛情を持っている。

 

つまり、私は皆さんに「現実の生き物」と「理想」との区別をしっかり付け、正しい知識で飼育して欲しいだけだ。

 

「可愛いだけで飼ってはいけない」ということが言いたいだけなのだ。

 

 

まさに「とっとこ走る」可愛らしく面白い彼らの生態を今一度、見直してみよう。

 

分類
動物界 Animalia
脊索動物門 Chordata
亜門 脊椎動物亜門 Vertebrata
哺乳綱 Mammalia
齧歯目 Rodentia
キヌゲネズミ科 Cricetidae
亜科 キヌゲネズミ亜科 Cricetinae
ゴールデンハムスター属 Mesocricetus
ゴールデンハムスター M.auratus
学名

Mesocricetus auratus

(Waterhouse, 1839)

和名

ゴールデンハムスター

英名

Golden hamster