【カキツバタ】アヤメ?ハナショウブ?、、、ちがうわ、私は妖艶で儚いカキツバタ

る日、独りでとぼとぼ歩いていたあなた(男)の目の前に、2人の和服姿の美女が突如現れたとしよう。

1人は目元に、もう1人は口元に小さなほくろがあるという違いはあれど、両人とも顔立ちもスタイルも服装もとても似ており、どちらも絶世の日本美人であった。

その2人に「どちらが殿方のお好みでございましょうか?♡」と言い寄られたらば、さて、あなたは選ぶことができるだろうか。



そんな時にあなたが口にするべき言葉はただ一つ。

「いずれアヤメかカキツバタ」

「いずれアヤメかカキツバタ」とは、「どちらも似ている上に大変美しいので、甲乙付け難く、選ぶのが難しい」という意味の慣用句である。

「アヤメ」と「カキツバタ」は、どちらも日本などに自生するアヤメ科の植物である。上記のようにこの2種は見た目がよく似ていて、区別が付きづらい。

ここに、これまたよく似た「ハナショウブ」という植物の存在が入ってくると更に厄介だ。3者とも、直立した流線型の葉を持ち、非常に美しい赤〜紫色の花を咲かせる。

そんな彼女らを区別する一つの要素が「生育環境の違い」である。

「アヤメ」は比較的乾燥気味の地面に生え、「カキツバタ」は湿った土壌や薄く水が張られた中で育ち、「ハナショウブ」はその中間くらいの環境に生えるのだ。

その中でも「カキツバタ」は、筆者が最も愛する水生植物の一つだ。実際に筆者も自宅で、カキツバタをメダカビオトープ内で育成している。

確かにカキツバタは、アヤメやハナショウブとよく似ている。

だが、カキツバタにはその2者とは違う妖艶さがある(完全なる個人的見解であることはご了承いただきたい)。

根元を水中に沈ませ、水面に映る葉や花の影は、どこかしらミステリアスかつ魅惑的なのだ。

また、カキツバタは春から夏にかけて一輪の花を咲かし、およそ一日で萎れ、散ってしまう。これを2、3回繰り返し、次にそれを目にするのはまた一年後となる。

その繊細な美しさは言うまでもなく、その短命さがとても儚く感じられるのだ。

 

妖艶で儚い彼女との一年後の再会に想いを馳せ、ただただ首を長くして待つ筆者であった。

分類
植物界 Plantae
階級なし 被子植物 angiosperms
階級なし 単子葉類 monocots
キジカクシ目 Asparagales
アヤメ科 Iridaceae
アヤメ属 Iris
カキツバタ I. laevigata
学名

Iris laevigata

(Fisch.)

2 COMMENTS

はまうつぼ

初めまして。
一読に来ました。
広範な動植物の記事で、興味深いです。
ところでアヤメかカキツバタとの題で、ハナショウブの写真を
用いているのは意図的なものでしょうか?
日本国内ではこれにキショウブとヒオウギアヤメが加わると
なおのこと見分けがつかなくなりますよね。

おとなし まこ

ご一読いただきありがとうございます。

適切なご指摘にも感謝いたします。
画像の件はこちらのミスでした。

よって、アイキャッチ画像変更させていただきました。

ありがとうございました。

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