【マダコ】母性の極み!我が子の為、命を賭す8本足の母

『October(オクトーバー)』とは、もちろん「10月」を指す英語である。

 

では、Octoberの語源は何なのか知っているだろうか?

 

ラテン語で「第8の」を意味する『octo』という語から来ているのだ。

 

「それじゃあ、8月になるやんけッ!」

 

というツッコミが聞こえる気がしたので、補足説明。

 

ローマ暦という太古の暦(こよみ)においては、今で言う3月が年始月であり、その3月からカウントして「8番目」の月となるのだ。

 

要は、それが現代で言う10月に該当するわけだ。

 

このOctober(8番目の月)と同じ由来を持つ生物が存在する。

 

そう、8本足を持つから『octopus(オクトパス)』。つまり、「タコ」である。

 

数あるタコの種類の中から、今回は日本で「The タコ」と言えばこれッ!

 

「マダコ」母性愛について見てみよう。

 

繁殖期(春~夏初旬頃)、マダコのオスはお好みのメスに巡り合うと交接腕(こうせつわん)と呼ばれる腕(8本足のうちの1本)を伸ばし精莢(せいきょう)と呼ばれる「精子の入ったカプセル」メスの体内に入れ込む。

 

これが彼らの交尾だ。

 

無事受精したメスは岩陰などの「隠れ家」を用意し、そこで房状の卵のかたまりを幾つも産み付ける。

 

これらは藤の花のように見えることから『海藤花(かいとうげ)』とも呼ばれている。

 

これらが孵化するまで約1・2ヵ月。

 

この「1~2ヵ月間」が母タコにとっては、

 

『生涯で最も危険かつ、最も母の愛情が芽生える期間』

 

であると同時に、実は、

 

『人生最期の仕事』

 

となる。



母タコは四六時中、我が子のもとに居て、なんと!この間エサは全く摂らない。

 

身体に備わっている「漏斗(ろうと)」と呼ばれる管で、「新鮮な海水」を何度も卵に向かって送る。

 

これでいつも卵を清潔に保つことができるというわけだ。

 

時には外敵も現れる。ミノカサゴやその他の魚類など。奴らの狙いはもちろんタコの卵だ。

 

無論、ここで卵を渡すわけにはいかない。

 

自慢の8本足を動かし、敵を威嚇・攻撃する。命懸けだ。

 

それでも敵がしつこいと、今度は周りに落ちている石や貝殻などをかき集め「お手製バリケード」を作ることもある。

 

無事最後まで我が子を守り切ると、母タコは懸命に流水を卵に送り、孵化を促す。

 

「さあ、私の可愛い可愛い赤ん坊たちよー。どんどん生まれておいでー。」

 

次々と新たな生命が広い世界に飛び出していく。

 

元気な我が子たちの見送りが終わり、安心すると同時に体力を使い果たしたマダコの母は、眠るようにしてその生涯を終える。

 

嗚呼!これぞまさに『命を賭した究極の母性愛』!

 

 

日本のニュースにおいては、毎日のように「児童虐待」の事件が取り上げられている。

 

そのような知らせを聞くたび、多くの人々がそうであるように、筆者も『最上級の怒り』が込み上げてくる。

 

「我が子を守るどころか、殺してしまうとは、、。」

 

「子供が受けた痛みや裏切りがどれほどのものか想像したことがあるのか!」

 

、、、。

 

、、。

 

、。

 

このような一部の人間たちは、はっきり言って、

 

『タコでもできる 最も当たり前で、最も大切なこと』

 

ができない、悲しい動物なのだ。

 

分類
動物界 Animalia
軟体動物門 Mollusca
頭足綱 Cephalopoda
上目 八腕形上目 Octopodiformes
タコ目(八腕目) Octopoda
亜目 マダコ亜目 Incirrina
マダコ科 Octopodidae
亜科 マダコ亜科 Octopodinae
マダコ属 Octopus
亜属 マダコ亜属 Octopus
マダコ O. (O.) sinensis
学名

Octopus (Octopus) sinensis

(d’Orbigny, 1841)

和名

マダコ(真蛸)

英名

East Asian Common octopus