『おしゃれは足元から。』
とよく言われるものだが、「鳥の世界」にも”これ”を意識しているものがいる。
それが『アオアシカツオドリ』だ。
彼らの生息地は、ガラパゴス諸島やメキシコ西部~南アメリカ北西部。
体長75~90cm、体重は1.3~1.8kg。
名前の通り、「アオアシ=青い足」を持つ。
その”青色”は、この上ない程の“鮮やかな水色”であり、見る角度によっては“蛍光ペンの青”のような発色に見えるかもしれない。
4本指の間には「水かき」がある。
きっとイタリア ミラノあたりのファッションでも参考にしたに違いない。
“足元”に人一倍、気を使っており、まさしく「おしゃれ意識高めの鳥さん」と言えよう。
こんなに「おしゃれブルー」の足になる要因は、『アオアシカツオドリ』のエサである、
魚由来の色素
である。
実は、彼らのエサの大部分は「イワシ(サーディン)」である。
しかし、生息域の1つのガラパゴス諸島の海域では、かなりイワシの量が減ってきているようだ。
また、“栄養状態良好”な『アオアシカツオドリ』ほど、足が鮮やかな青色となる。
逆に、“栄養不足”の個体や“年老いた”個体の足は暗い青となってしまうらしい。
この「おしゃれ青足」を武器に、『アオアシカツオドリ』のオスは、
両足を”交互に上げ下げ”「求愛ダンス」
を踊るのだ。
と、『アオアシカツオドリ』の概要をここまでダラダラ書いてきたわけだが、彼らの現在の最大の問題点は、
個体数の減少
である。
上記の(これまで書いてきた)情報を総合して、この「個体数の減少」の“原因”として考えられるのは、以下のようなプロセスにあるのかもしれない。
① エサである「イワシ(サーディン)」の減少
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② 栄養状態の悪化による「足の発色レベル」の低下
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③ 「求愛ダンスのアピールレベル」の低下
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④ 「生殖機会」の減少
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⑤ 「個体数」の減少
“その他様々な要素”にも原因があるのかもしれないが、「ガラパゴスのおしゃれ鳥」に“危機”が迫っているということに間違いはない。
分類 | |
界 | 動物界 Animalia |
門 | 脊索動物門 Chordata |
亜門 | 脊椎動物亜門 Vertebrata |
網 | 鳥綱 Aves |
目 | カツオドリ目 Suliformes |
科 | カツオドリ科 Sulidae |
属 | カツオドリ属 Sula |
種 | アオアシカツオドリ S. nebouxii |
学名
Sula nebouxii (Milne-Edwards, 1882) |
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和名
アオアシカツオドリ |
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英名
Blue-footed Booby |