「フラミンゴ」とは、フラミンゴ目フラミンゴ科の総称である。
ピンク~オレンジの羽色が可愛らしく美しい鳥であるというイメージが強いが、実はフラミンゴの羽色は元々白色なのだ。
子供の頃は真っ白で、大人になるにつれ桃色になり、時に濃く、時に薄くなる。
では、なぜ桃色になるのか?
それは、彼女たちのエサに秘密が隠されている。
そもそも野生下の彼女らは、アフリカ、中南米、南ヨーロッパの塩湖(えんこ)【塩分濃度が高い特殊な湖】や干潟という本来、生物が生きづらい環境に生息している。
これはあえて悪環境に住むことで、外敵からのリスクを減らしている為と考えられる。
そんな厳しい環境の塩湖。
そこにあるフラミンゴのエサは『スピルリナ』というプランクトン等である。
※スピルリナは塩分濃度の高い塩湖でも生存可能。
これらのプランクトン類に含まれる、
「β-カロテン」や「カンタキサンチン」
などの色素の摂取が、フラミンゴをピンクに色付かせる理由だ。
※フラミンゴは、「へ」の字型のクチバシに付いている繊毛状の組織(ラメラという)で水中のプランクトンを濾(こ)し取りながら食べる。
だから、これら色素を含まないエサを与えている動物園の個体は真っ白で、少しフラミンゴらしさに欠ける。
また、フラミンゴの一本足で立つ有名なあの姿勢。
これは、羽毛に覆われていないむき出しの部分、つまり足とクチバシになるが、
この外気や水に直接触れやすい部分の割合が、体型の似た他の鳥類(ツルやダチョウなど)に比べ多く、奪われる熱量を減らすためである。
足を一本羽毛にしまっておくだけで、彼女らにとってはエコなのだ。
※王貞治さんの有名な「一本足打法」はこのフラミンゴの姿勢から「フラミンゴ打法」とも呼ばれ、足を上げることにより、、、ごめんなさい、、この説明やめます。偉そうに語ろうと思いましたが、筆者は野球の知識ゼロでした、、。
さて、そんなフラミンゴであるが、彼女らのもっと興味深い話がある。
それが、『フラミンゴ・ショー』。
日本のとある動物園が約45年前に最初に始めたこのショーは、飼育員らが指示を出し、フラミンゴたちが舞い動いて、観客を楽しませるというもの。
しかし、残念ながら彼女らに
「あの優しい飼育員さんのためなら頑張るわ!」とか
「あら!合図が出たわ。さぁ、みんな素早く指示通り移動よ!」とか
「お客様が喜んでくれてるッ!これが私たちの生き甲斐なのよ!」
などという感情は微塵も無い。
これは、「フラミンゴの習性」を逆手に取って人間によって考えられたプログラムなのだ。
フラミンゴは、
強い『警戒心』を持つ動物であり、できるだけ『集団行動』をするという特徴
を持つ。
飼育員が彼女らの道を塞ぐようにゆっくり動けば、警戒心により、残された道の方へゆっくり逃げる。
同時に集団行動を好むので、全員で同じ方向に逃げる。
つまり、人間が近付いてくるので内心、
「うわぁ、なんか奴ら近付いて来たわぁ、、めんどくせぇ、、。」
とか思いながら、空いている方向にみんな一斉に逃げていただけなのである。
それがまるで『人間の指示通りに舞い動いている』ように見えるというわけだ。
『フラミンゴ・ショー』のプログラムを考え出した当時の園長を始めとする動物園スタッフは称賛に値するとは思うのだが、
人間とフラミンゴたちの心の距離が、なんだか遠く感じてしまうのは筆者だけなのであろうか。
分類 | |
界 | 動物界 Animalia |
門 | 脊索動物門 Chordata |
亜門 | 脊椎動物亜門 Vertebrata |
網 | 鳥綱 Aves |
目 | フラミンゴ目 Phoenicopteriformes |
科 | フラミンゴ科 Phoenicopteridae |
学名
Phoenicopteridae (Bonaparte, 1831) |
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和名
ベニヅル(紅鶴) |
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属
フラミンゴ属 Phoenicopterus コフラミンゴ属 Phoeniconaias ? アンデスフラミンゴ属 Phoenicoparrus † エロルニス属 Elornis † フェニコノティウス属 Phoeniconotius |