我が日本国の国歌「君が代」
「こけのむすまで〜♪」の「こけ」は、コケ植物を指し、「岩にコケが生えるまで長く長く命が続きますように」という意味であるということは意外と知らない人も多いだろう。
そんなコケ植物の中でもポピュラーな種である「ハイゴケ」。
彼らはその辺の庭、公園、林、石垣など日本中、比較的どこでも見られる。
名前の由来はそのまま「這いゴケ」。
這っていくように地表や岩、倒木を覆いながら拡がりながら生長するのだ。
本来、コケ植物は一般的植物に備わる「吸収の為の根」を持たず、代わりに「仮根(かこん)」と呼ばれるものを持つ。
これは主に地に身体を固定するためのものと考えられる(コケは身体表面から水分を吸収できる)。
しかしながら、ハイゴケはその「仮根」すら持たず、言わば「地表や岩に乗っかっているだけの状態」で拡がっていくのだ。
だから、比較的簡単にマット状での採取も可能なわけだ。
はっきり言って、コケ植物は総じて「地味」である。お世辞にも「派手」とは言い難い。
美しい花を咲かす植物と違って、コケ植物には華やかさは微塵もない。
美味しい果実を実らす植物と違って、コケ植物は食用にすらならない。
「これは抹茶味の新スイーツ!インスタ映えもーらいっ♡」とか言いながらiPhone片手に食べてみると案外美味である可能性も捨て切れないが、筆者は一切責任取らない。
普通の人は普段目もくれない、そんな「コケ」であるが、
例えば、映画「もののけ姫」の1コマ1コマにコケが全く見られなかったらどうだろう?
美しい「日本庭園」やマイナスイオンで溢れる「森林」にコケの緑が無かったらどうだろう?
、、、そう、コケは雄大な自然を示すアクセントとして欠かせず、ある種の「癒し」を秘めているのだ。
筆者もメダカのビオトープ飼育で、実際にハイゴケ付きの流木をレイアウトしているが、主役のメダカよりもハイゴケのまったりとした成長を日々観察し、密かな癒しを得ている。
あなたが今度、外で生えているコケを見つけたら、10秒で良いので立ち止まって、その地味な植物の中の「生命力」や「癒し」を感じてもらえたら、、、
これ幸いである。
分類 | |
界 | 植物界 Plantae |
門 | マゴケ植物門 Bryophyta |
網 | マゴケ綱 Bryopsida |
目 | ハイゴケ目 Hypnales |
科 | ハイゴケ科 Hypnaceae |
属 | ハイゴケ属 Hypnum |
種 | ハイゴケH. plumaeforme |
学名
Hypnum plumaeforme (Wilson) |