【ミシシッピアカミミガメ】日本人の浅はかさとエゴが生み出した米国からの哀しき来訪者

ームセンターのペットコーナーにて、数百円で入手できる、

 

そのちっこいカメの名は、「ミシシッピアカミミガメ」。

 

「ミドリガメ」の名前で売られていることも多い。

 

名の通り、ミシシッピ州をはじめとするアメリカに棲息し、これまた名の通り、緑色の甲羅を持ち、赤い筋模様が耳のように見える美しいカメである。



幼稚園生くらいの可愛らしいとその娘を溺愛する父親が、休日にホームセンターへ買い物にやってきた。

 

娘は、たまたま売り場で見つけたミシシッピアカミミガメに対して、

 

「わぁーこのカメさん可愛い!パパこれ飼いたーい!」

 

と興奮気味にねだった。無知な父親は、

 

「確かに小さくて可愛いね。値段も安いし、〇〇ちゃんの為ならOK♡」

 

とあっさり承諾する。

 

しかし、数年後、娘は飼育なんぞにはすっかり飽き、

 

父親はそのカメの想像以上の成長ぶりに困り果て、更には長寿命であることを知り心が折れる。

 

ついには、「こんなはずじゃなかった、、。」とかなんとか言いながら、近くの川に放して(捨てて)しまうのであった。

 

そう、このミシシッピアカミミガメは、赤ちゃんサイズかつ安価で売られてはいるが、最大で30cm近くまで成長し、

 

寿命は10年以上〜30年とも言われる。

 

また、非常に丈夫で、日本の環境にも軽々適応することができ、雑食かつ食欲旺盛。

 

上記親子のような多くの無知な人々によって、日本各地でミシシッピアカミミガメは数を増やし、在来種を脅かしていった。

 

そしてついに、このカメは我が国で「要注意外来生物」に指定され、

 

ブラックバスなどでも有名な「特定外来生物」の予備軍となってしまった。

 

実際、筆者も某城のお堀やその他様々な水辺でたくさんのアカミミガメが泳いでいるのを見てきている。

 

 

このような「外来生物」自身に罪は全く無い。

 

それのほとんどが我々日本人の「無知」「エゴ」が生んだものなのだ。

 

ペット飼育のセオリーである

 

「可愛いだけで安易に飼ってはいけない」

 

 

「正しい知識で最期まで責任を持って飼育する」

 

という当たり前のことを我々は改めて認識し直さなければならない。

 

分類
動物界 Animalia
脊索動物門 Chordata
亜門 脊椎動物亜門 Vertebrata
爬虫綱 Reptilia
カメ目 Testudines
亜目 潜頸亜目 Cryptodira
上科 リクガメ上科 Testudinoidea
ヌマガメ科 Emydidae
亜科 アミメガメ亜科 Deirochelyinae
アカミミガメ属 Trachemys
アカミミガメ T. scripta
学名

Trachemys scripta

(Schoepff, 1792)

和名

アカミミガメ

英名

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