【コイ】科学的に解明!「鯉の洗い」のシコシコ食感には秘密があった!?

「鯉(コイ)」は、『コイ目コイ科コイ亜科コイ属』となんとも『コイ』三昧な分類をされる淡水魚である。

「コイ目」には、フナやオイカワ、タナゴ、ドジョウなど誰もが耳にしたことのある魚たちが含まれる。

コイには親戚が多いのだ。

日本人にもお馴染みのコイ(野ゴイ)であるが、中央アジアを中心に広く分布している。

体長は60~70cm程度で、大きいものは1m級のものも。

コイの口は斜め下向きに付いており、丸く大きい。上唇が伸びるのでこれにより、もごもご水底のエサ(雑食性:貝やミミズ、甲殻類などの動物性のものや水草などの植物性のもの)を探り、砂利ごと一気に吸い込む。

あとは、ゆっくり「エサ」と「そうでないもの」とを選別するだけだ。

口元には4本(2対)のご自慢のヒゲを持つ。

このヒゲにはセンサーの役目があり、味を感知する味蕾(みらい)細胞も持つ。口に放り込む前からある程度、ヒゲで味を識別するのだ。

「パクパク口を開けてばかりいる間抜け面」に見えて、彼らは意外にも賢いのだ。



さてそんなコイであるが、彼らは「食用魚」としても有名である。

コイ料理の代表例といえば、

◇鯉こく(輪切りにした鯉を水・赤味噌・日本酒などで煮込んだ汁物)

 

◇うま煮(輪切りにした鯉を醤油・砂糖で甘辛く煮付けたもの)

 

◇唐揚げ

 

◇ウロコせんべい(鯉のウロコをカラッと揚げたスナック感覚のもの)

 

◇鯉の洗い(鯉の刺身をぬるま湯で下処理をした後、冷水で一気に締めたもの)

などがある。その中でも今回着目したいのは『鯉の洗い』だ。

「川魚なんてめっちゃ泥臭いんじゃないのー?」

と思う人もいるだろう。

上記のようにしっかり正しい下処理を行えば、『鯉の洗い』は臭みは無くなりシコシコした食感が絶妙な一品となる。

酢味噌などをつけて食べるのが一般的。

この「弾力ある食感」を生み出すのが、実は上記の『ぬるま湯に通す』処理だ。

この湯のベストな温度は人肌(体温)〜50℃くらいまでと言われている。

冷水でも沸騰した湯でもNGなのだ。

科学的にこれらを理論付けてみよう。

①体温に近い温水のおかげで、コイの身(筋肉)の中の酵素が、ATP【アデノシン三リン酸】と呼ばれる物質に働きやすくなる。

 

②この酵素の働きにより、ATPはADP【アデノシン二リン酸】に変化する。

 

③ADPになる時に、「高エネルギーリン酸結合」と呼ばれる結合が解けることにより、エネルギーが生じる。

 

④このエネルギーにより、コイの身(筋肉)が収縮する。

この筋肉の縮みにより、『鯉の洗い』の魅力的な弾力が生まれるというわけだ。

しかも人肌の温度は、筋肉を作るタンパク質も壊しにくい。

まさに科学的根拠に基づき計算し尽くされたベストな調理法なのだ。

 

ただ、川魚は海水魚に比べ、濃縮された毒素や寄生虫などの危険性が高いことも事実。

素人が調理にチャレンジするには少々ハードルが高いと筆者は考える。

正しい知識のもと自己責任で行うか、信頼の置けるプロの飲食店で出されたものだけを頂くのが無難であろう。

分類
動物界 Animalia
脊索動物門 Chordata
亜門 脊椎動物亜門 Vertebrata
条鰭綱 Actinopterygii
上目 骨鰾上目 Ostariophysi
コイ目 Cypriniformes
コイ科 Cyprinidae
亜科 コイ亜科 Cyprininae
コイ属 Cyprinus
コイ C. carpio
学名

Cyprinus carpio

(L. 1758)

和名

野ゴイ

コイ

英名

Common carp

carp