コリドラス・アエネウス、コリドラス・パレアトゥス、コリドラス・ジュリー、コリドラス・パンダ、、、
早口言葉なら高難易度になるであろうこれら「コリドラス」の仲間は、南米の淡水に棲息する体長数cm程の小型のナマズだ。
コリドラスの仲間たちは基本的に水底で活動し、その小さな身体をちょこちょこ動かし、砂利の中のエサ(微生物やアクアリウムにおいては他の魚のエサの食べ残しなど)をヒゲで、もごもご探り食べる姿は非常に愛らしく、日本のアクアリウム界でもペットとして人気のある種である。
様々な色・模様の種類がおり、また、群れを作る傾向にあるので、大群で飼育してもとても面白い。
さて、このように魅力溢れるコリドラスたちであるが、彼らには身勝手な人間によって与えられてしまった1つの重要な課題がある。
それは、
「水槽の掃除屋さん」。
ペットショップの説明書きには「コリドラスは水槽内をお掃除してくれます!」と大抵書いてある。
アクアリウム初心者だったらば、まるで「水槽内はいつもピッカピカ!水換え不要!しかも可愛らしくて、夢のような魚だわ♡」と感じてしまう人もいるかもしれない。
上記のように、コリドラスは確かに水槽底の砂利の中の「他の魚の食べ残し」などを掃除するが如く食べてくれる。
しかしながら、ガラス面のコケを食べることはない。
だから放っておけば、コリドラスが居ようとも、緑のコケが生え、汚れてくる。
そして、言うまでもないが、他の魚もコリドラスも糞をする。糞を含めた汚れ、いわゆる「食べる価値のない不要物(ゴミ)」まで掃除する義理はもちろんコリドラスにだってない。
誰だって、他人や自分がした糞やその辺に落ちているゴミを食べるのは嫌だろう。
しかも、コリドラスは意外と水質(汚れ)に敏感であり、水底部の環境悪化により病気にかかりやすいというナイーブな一面も持つ。
また、自慢のヒゲも強いとは言えず、角張った砂利の場合、もごもご探っている間に傷付いてしまう可能性があるのだ。
これはまるで、なんとなく目に付いた教室の散らかっていた掃除用具入れを、これまたなんとなく整理整頓した大人しい生徒「コリドラスくん」が、
たまたまその瞬間を他のクラスメイトに見られてしまい、「コリドラスーお前、綺麗好きなんだなぁ」と勝手なレッテルを貼られ、
おかげでクラスのみんなから「美化委員会」に推薦されてしまうようなものだ。
挙げ句の果てに、元々身体のあまり強くない「コリドラスくん」は、ハードな委員会の仕事の連続で体調を崩してしまった!
、、、そんなことになった日には、たまったものではないだろう。
過大評価と偏ったイメージの重圧に耐えながら、コリドラスたちは忙しそうに今日も水底を右往左往している。
分類 | |
界 | 動物界 Animalia |
門 | 脊索動物門 Chordata |
亜門 | 脊椎動物亜門 Vertebrata |
網 | 条鰭綱 Actinopterygii |
目 | ナマズ目 Siluriformes |
科 | カリクティス科 Callichthyidae |
属 | コリドラス属 Corydoras |